今週初め古民家調査のため、関係スタッフと共に旧作手村に出向きました。

早春とはいえ、この日の作手高原はうっすらと雪景色の真冬なみの寒さのなか、
防寒着に身を包み氷点下一度での古民家の現調でありました。

この古民家、当時の茅葺きの民家を村の中でも一番早く瓦葺に葺き替えた、
歴史が感じられる美しい古民家でした。

しかし私にはこの古民家に勝るとも劣らない、敷地内の見事な石積みの曲線美に惹きつけられました。

今の時代消え失せてしまった石積み職人の無念を嫌というほど見せつけられた
一瞬でありました。
まだまだこのように奥三河一帯には、多くの古民家が存在しております。

ここに至って、やっと古民家が住宅の文化として位置付けられ始め、また日本の住宅の
原風景としてメディアに多く取り上げられてきております。

今まで不自由な古民家で生活し、不便なことで古民家の魅力を覆い隠されてきた方々が、
今の効率優先の合理主義の世界に少し疑問を持ち始め、環境問題を各個人で考えた時に
自分の身近にある古民家の希少価値に気付き、注目し始めてきたのだと思います。

それは最近の一般社団法人愛知県古民家再生協会への古民家鑑定依頼や古民家の
相談件数の増加が物語っています。

古民家は日本の立派な住文化のひとつであります。
この文化を次の世代に継承する事も建築を志した者として、私自身の大切な使命のひとつ
として考えております。