昔、子供の頃、どこの村にも立派な白壁の土蔵のお蔵が一~二軒ありました。
立派なお蔵は、きまって一世を風靡した村の地主さんか何代も継承した庄屋さんの家でありました。
そんな土蔵や古民家付きの村の庄屋屋敷をこの程縁があって譲り受ける事が出来ました。
二度と再建が出来ないようなこの貴重な土蔵を譲り受けた事が今も信じられず、夢の様なこの現実に感謝せずにはおれません。
私の知る限りでは、今の銀行の貸金庫の様に災害や盗難、火災から村の重要な品々や個人の大切な財産を守る為にこのような頑固で丈夫な要塞の様な建物が何処の村にも一軒や二軒必要であったのではなかろうかと思われました。
当然この譲り受けた土蔵も当時のままの状態で、多くの古文書や調度品等々の骨董品など貴重な品々が室内に所狭しと保管されております。
実は連休を利用して村の長老達の立会いのもと、この土蔵の品々を調査する予定でおります。
私個人で手を付けるには余りにもおそれおおく、この土蔵に足を踏み込む前に土蔵を清め先祖に感謝し・・・そんな心境で今連休を楽しみに待っております。
一般社団法人愛知県古民家再生協会も活動を活発に開始し、古民家鑑定も順調に数を増やしております。
県下の鑑定士の数も増え、この八月を目標に会員と共に例会を開く準備も本部との間で進んでおります。
そんな折、この立派な土蔵を譲り受け、古民家古材の幸運の追い風に乗るべく、伝統構法のあるべき姿を今以上にスタッフや古民家鑑定士の仲間と共に学び、建築の真の王道に残された人生を賭けて挑戦してみたいものであります。