先月台風と共にミラノの友人が豊橋に到着し、中華料理の蘭華様に仲間と集合しました。久し振りの再会に全員で敬意を評し、乾杯で彼の故郷日本での秋の休日がスタートです。
あくる日は台風と追いかけっこで学生時代の友人を交えて4人で新潟の魚沼まで車でひとっ飛びしました。
彼は異国の地で建築を目指し、建築で幕引きをした建築一筋の何よりも建築を愛した男であります。
そんな彼に見せたいと、日本の住まいの原点である伝統民家の雪深い越後新潟の上越、中越地方を目指しました。
途中信濃の小布施の街に立ち寄って栗の小道を散策し、北斎(小布施は北斎が愛した街)の想いに抱かれて収穫間近な真っ赤な鈴なりの林檎を横目に小布施を後にいたしました。
そして台風の追ってから逃れる如くやっとの想いで越後の宿に到着したのもつかの間、台風に追いつかれ雨が強くなり、雨に打たれての露天風呂。イタリアでは台風がなく久しぶりに日本の秋らしい一面を経験でき、良くも悪くも日本の秋をここ越後で満喫です。
実はこの宿、雑誌「自遊人」の経営で、越後豪農の古民家を譲り受け見事再建を果たした宿であります。
ミラノから遠く離れたこの越後の宿で日本流の癒しの「おもてなし」を頂きながら、お互いの建築一筋の人生に悔いのない事を確認しあいました。美味しい越後の料理や酒の酔いと共に学生時代に引き戻され、お互いありのままの姿で越後の宿で心豊かに満たされ、日本の台風の雨の夜が更けてゆくのであります。