只今、浜松市三ケ日町内にて日本の古民家の原型、
いわば基本である茅葺き古民家のリフォームがスタートいたしました。

今では殆んど皆無状態になってしまった日本の古民家の原点である茅葺き合掌造りの古民家。
嬉しい事にまだこの様な古民家が手直しできる状態で残っているのですね。

しかしこの古民家も一歩間違えれば今頃廃棄処分の運命を辿っていたかもしれません。

実はオーナー様が他業者や家族の反対の中、最後の望みをかけて様々なホームページにアクセスし、
最後に私どもにたどり着いていただきました。

面談の際には、茅葺き合掌造りの古民家の重要性・希少性をご夫婦に力説。

そして日本の住文化としての希少性・重要性を良く理解して頂いた奥様より、
息子様ご夫婦を説得して頂き、めでたく今日に至ることが出来ました。

また先祖代々神職という名誉職の立場上からも、先祖の供養の為と地域の為にも、
この古民家をどう間違えても今この時代にそう簡単に葬るわけにはいけません。

葬るようなことがあったならば、これは後世に対して大きな罪つくりです。
建築に携わる一人として、これは断固として守るべき建築のモラルの一つであると最近強く感じます。

 

 また安全面から耐震という現行法がこの様な古民家にも課されます。この現行法が古民家の大きな障害の一つであります。

しかし、避けて通れないこの耐震問題を私共は全国組織である一般社団法人愛知県古民家再生協会と協力し、
元早稲田大学建築科の毎熊教授が古民家用に研究開発した早稲田式動的耐震診断を取り入れ、同時に教授を現地に招き測定診断やアドバイスも頂き耐震補強の参考にさせて頂きました。

この様に安全を確保し、断熱に配慮して安心(水廻り)の設備を備え、未来に対処したデザインで過去のロマンを今の時代の流れに合わせ、未来の子供達の為に残す事を目指し、この事業にもうひと頑張りかと想う今日この頃であります。