築80年近い庄屋古民家の移築の上棟が、この阿寺地区で始まりました。
私の同級生で信頼できる梅岡棟梁の手により、年明けよりはじめた墨付け刻みの手直しと古材の見直し確認作業が無事終わり、以前この古民家の解体作業を担当してくれた佐々木棟梁の手を借りて見事復元に成功し、今ここ阿寺の地に甦りました
またこの建物は、阿寺の一番高い場所に建っており、谷底の阿寺公民館の駐車場から見上げると城の天守閣のようにそびえ建っております。
そして各部分の継ぎ手や仕口は、今の建物に使われているボルトや金具類ではなく、堅木(欅)による込み栓やくさび打ちで収まっております。
この古民家、築80年経ってもこの様に優しく扱えば、今では決して手に入らない大きく見事な美しい古材の伝統工法の住文化として、歴史的にも貴重な建物の復元が新築と変わらない予算で可能であります。
但し、忠実な再生古民家ではなく、今の時代に合う、いや今の時代を超えるデザインと未来に向かっての次世代の住宅文化を『過去に学び、現在を超え、未来に備えた』これからの住宅の新しいジャンルを創作したいとこの阿寺の地で上棟に立ち会いながら思い悩むのでありました。